こんにちは。アトリエKW 代表の 渡邉響子です。
インターネットにまつわる、いまさら人にきけない話を、ネット初心者の方に向けて紹介しています。
職業柄、コンピューターやインターネットにまつわる用語の意味についてきかれることがよくあります。
よくあるのが「スマホを使っていて『OSのアップデートをダウンロードしてインストールしてください。』と出てきたんですが、横文字ばかりでなにがなんだかわかりません・・・」と言われることがよくあります。
「そうそう!それ全く意味がわかんないのよ!」と思われた方。
どうぞ続きをお読みください。
分かりやすくご説明いたします。
ただ、 『OSのアップデートをダウンロードしてインストールしてください。』 という文章に出てくる謎の横文字について全部説明するとなるといろんな予備知識が必要になりますから、今回はその中でもダウンロードについてお話しします。
また、ダウンロードと対になるアップロードもついでにお話しします。
- コンピューター用語は横文字が多くて苦手。
- ダウンロードって「落ちる道ですか?」という方。
目次
ダウンロードは通信のひとつ
コンピューターは、通信網を通じて情報をやり取りすることができるのは皆さんもご存じだと思います。
ダウンロードはこの通信の中のひとつです。

単に通信という場合は、上下関係がなく一対一でデータをやり取りする形になります。
それに対してダウンロードという場合は、通信する相手がサーバーになります。
サーバーとはサービスをする者という意味で、要求に応じてデータを提供してくれる特殊なコンピューターです。
提供してくれるデータはさまざまです。ホームページのデータであったり、プログラムであったり。
それら有用なデータを通信によってサーバーからもらい受けることを特にダウンロードというわけです。
なぜダウンと「落とす」という言葉が使われているかというと、サーバーを上流とし、個々人で使っているコンピューターのほうを下流という考え方からそうなりました。

逆に個々人で使っているコンピューターからサーバーへデータを送る場合は、下流から上流へということでアップ、つまりアップロードという言葉が使われます。
ちなみにロードは load で荷物の意味です。道のロード ( road )とはちがいますよ。
荷物(データ)をサーバーから落としてくるのがダウンロード。
サーバーへ荷物(データ)を上げるのがアップロード。
ダウンロードで気をつけること
言葉の意味はわかりましたと。でもダウンロードなんてしたこともないし、やり方もわからないし・・・・やっぱりなんだか怖いなぁと思われましたか?
そう思われる気持ちわかります。
そしてその「怖い」と思う気持ちは「正解」です。
むやみやたらにダウンロードすることで起きる問題が実はあります。
でもご安心ください。これからお話しすることに気をつければ恐れることはありません。
ダウンロードで起きる問題は主に3つあります。
- 通信料とストレージの消費の問題
- 著作権侵害のデータだった場合の問題
- 悪意あるデータだった場合の問題
ひとつひとつ詳しくお話しします。
通信料とストレージの消費の問題
ダウンロードとは、サーバーからデータを落とすことです。
これには通信網とデータを落としてきたときの入れ物=ストレージがかかわってきます。
通信のための料金がかかるのと、落としてきたデータでストレージを圧迫してしまうということです。
ですので、ダウンロードするデータの大きさに気を付ける必要があります。
わかりにくいなぁという方は、水道の例で考えると分かりやすいです。

水道は蛇口をひねれば水が出てきます。
この水は水道局が浄化した水を、整備された水道管を通して各家庭に送り出したものです。
私たちはその水を出してもらうために、水道局に水道代としてお金を支払いますよね。
料金は基本料と、水を使った分の料金を支払うのが一般的ですね。
インターネットの通信は水道に似ています。
通信の場合、ダウンロードボタンなどでデータを落とすことを始めると、指定したデータが手元のコンピューターに落とされます。
このデータは、インターネットの通信網を通して渡されたデータです。通信網は水道で言えば水道管です。
通信されたデータの総量は逐一計上されています。データは水道の水と同じと思ってください。
たくさんデータをダウンロードするということは、水を大量に流すということと同じです。
インターネットを使うためにパソコンの場合はサービスプロバイダー、スマートフォンの場合は携帯電話会社と契約してお金を支払っていますよね。
契約のしかたによっては通信したデータの量によって料金が変わりますよね。
毎月〇Gバイトまでは料金は同じ。だけどそれ以上通信した場合は追加料金という形での契約形態もありますね。
上限に余裕のないプランで加入している場合は、ダウンロードをたくさん行って上限に達して追加料金・・・となることもあり得ます。
ですので、ダウンロードしようとしているデータの総量をあらかじめ確認して、データが大きい場合は料金のかからない通信手段で落とすといった工夫が必要になります。
たとえば自宅には基本料以外料金のかからない WiFi 機器が使えるようにしているのであれば、携帯の通信を使わずに WiFi に接続してダウンロードするといった工夫です。(実際通信速度もこちらが速いですし)
またストレージを圧迫するという話ですが、これも水道で考えると分かりやすいです。
蛇口をひねってコップに水を灌ぐとき、私たちはコップから水があふれないようにあふれる前に蛇口を締めることができます。コップに入る水の量が目で見てわかるから止めることができるわけです。
コンピューターやスマートフォンにはデータを保存するための記憶領域つまりストレージがありますが、ため込めるデータの量には、コップと同じように限りがあります。
ストレージの容量を超えるデータをダウンロードすることはできないです。
またストレージの上限を超えなかったとしても、残りの保存できる領域が減りますので、他のデータを保存できなくなります。
スマートフォンで写真や動画を撮ることも多いと思いますが、写真もデータとしてストレージに保存されています。
もしもダウンロードしたデータでストレージがいっぱいになっていたら、写真を撮ることができなくなります。
ダウンロードデータの大きさの確認方法
ダウンロードしようとするデータの大きさをあらかじめ確認することはとても大事です。
そのため一般的に、ダウンロードをするための操作画面にデータの大きさを数値で表示してくれています。
下の画像は、iPhone のアプリアップデート画面ですが、ダウンロードされるデータのサイズが表示されています(赤丸でかこまれたところ)
※ アップデート用のデータはダウンロード後、不要となれば自動で削除されます。ストレージに残って容量を圧迫することはないので、その点は気にする必要はありません。

このようにダウンロードが行われる場合には、データのサイズが記載されていることが一般的です。
この数字を気にしながらダウンロードする習慣をつけましょう。
著作権侵害のデータだった場合

ダウンロードしてはいけないデータがあります。
それは、著作権に抵触するデータです。
映像、音楽、マンガ、プログラム・・・とにかくあらゆる著作物について、無断で公開されているものだと知りながらダウンロードした場合、それが個人的な使用が目的としても著作権侵害で訴えられます。
ここで重要なのが、ダウンロードしただけでも訴えられるということです。
実は普段気にしていないことなのですが、YouTubeなどの動画配信サイトで動画を見るだけでも映像データがダウンロードされています。
私たちはダウンロードされたデータを再生しているのです。
つまり、動画を見ただけですでにダウンロードされているんです。
その動画が、著作権を侵害した無断で公開されたものだったら。そして著作権を侵害しているものだと分かった上で見てしまったら・・・それだけで著作権を侵害したことになります。
「でも、バレなきゃいいんでしょ?」ですって?
確かにそうかもしれません。ですが考えてほしいんです。
なぜ著作権侵害がいけないことなのかを。
昨今のインターネットの普及で、映像や音楽、マンガなどを制作するクリエーターたちが適正な利益を得られなくなっています。
著作物が無断で公開されることで本来買ってもらえたはずの作品を買ってもらえる機会が減ったためです。
もしあなたが大好きなアーティストの作品をこれからも見たいなら、そのアーティストがこれからもずっと活動できるように応援してほしいのです。
無断で公開された作品は、アーティストへの売り上げにつながらず応援になりません。
どうか冷静に考えてほしいことです。
悪意あるデータだった場合の問題

ダウンロードできるデータは有用なものだけではありません。
中にはダウンロードして開くとコンピューターに不具合を発生させるコンピューターウイルスやマルウェア(悪さをするプログラム)もあります。
これは、悪意を持った人物がインターネット上に公開しているものです。
なんでそんなものを・・・・と優しいあなたは思うかもしれません。
そうですよね。他人を傷つけるものを公開するよりも、みんなの役に立つものを公開しようよ~って思いますよね。
本当にそうです。
しかしながら世の中にはいるんですよ。悪いソフトを作っちゃ公開する人が。
以前はこういったことをする人のほとんどは愉快犯でした。他人のパソコンが壊れるのを見るのが楽しいと感じたり、自分のプログラミングのスキルを見せつけたいという自己顕示欲もあったのでしょう。
ですが今は他人から金銭や個人情報を奪い取る目的の輩が増えてきました。
ランサムウェアといってコンピューターを使用不可能状態にして「直してほしければお金をよこせ」と身代金を要求するもの。
偽のショッピングサイトを作りユーザー名とパスワードを入力させて情報を不正に入手するもの。
インターネットの普及によっていろんな悪い人たちも増えてしまいました。
こういった悪いプログラムをつかまされないように、まずはダウンロードしていいものかどうか見抜く力が必要になります・・・・あぁ、分かっています。この記事を読んでくださっているみなさんからの心の声が聴こえます。
「そんなのわかるかいっ!」
ですよね・・・その通りです。
昨今は悪いことする人たちのやり方も巧妙化しており、慣れている人でも見抜くのは難しくなっています。
そのために昨今のウェブブラウザーには、危険なサイトを開かないようにする機能がつくようになってきました。
知らずに危険なサイトを開こうとすると、いかにも危険です!という画面が表示されて、先に進まないように警告してくれるようになりました。
もし警告画面が出たら、慌てずに戻りましょう。
それで悪いプログラムに引っかからずに済みます。
この機能は、最新のウェブブラウザーであれば、初期設定で機能するようになっています。
また別の機会に詳しくお話ししたいと思います。
ここでお話ししたかったのは、世の中には悪いソフトを公開している悪い人たちがいるということ。
それとそういった悪いソフトをつかまされないように気をつけなければならないということです。
まとめ
ダウンロードは、サーバーからデータを落としてくること。
そしてそのデータのサイズに注意を払うことや、データの信頼性つまり著作権を侵害するものではないか、危険なプログラムではないかを確認していけば怖いものではないということをお話ししました。
世の中には有益なソフトウェアがあふれています。
安全に利用できるものはどんどん使っていただきたいと思います。
またソフトウェアは、欠陥が後になって見つかることがあります。それを補うための改訂版が後に公開されます。
これらはダウンロードして利用することになります。
そういった場合のダウンロードはしっかり行っていくことが大事です。